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岡山大学病院ではメラノーマに対して、病理診断、センチネル生検、手術、化学療法、免疫療法を実施し、実績を積み上げてきました。最近では、進行期メラノーマにおいても有効性が期待できる免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-1抗体や抗CTLA-4抗体が治療薬として使えるようになり、加えて、分子標的薬のBRAF阻害薬やMEK阻害薬が上市され、今後も新薬開発が続きます。また、津山中央病院に2016年春に導入された陽子線療法は、進行期メラノーマも治療適応になります。この数年でメラノーマ治療は劇的に進化してきました。これらの新薬や新治療を適正・安全に使うためには、がん遺伝子検査に加えて、自己免疫疾患のスクリーニングや免疫関連副反応のモニター等が必要とされます。
岡山大学病院では、メラノーマに対する腫瘍免疫に関する研究をリードしてきた実績をもとに、皮膚科、放射線科、免疫学教室、病理部で情報共有をしつつ、共同して基礎的データを集積してきました。今や、メラノーマ診療においては、皮膚科だけではなく、関係診療科との密接な連携がこれまで以上に大切になりました。このような背景から、2015年5月1日に全国初の「メラノーマセンター」を岡山大学病院に設置することができました。メラノーマセンターの開設目的は、1)中四国のメラノーマの診断・治療拠点として集学的診療を提供、2)臨床試験へのエントリーと医師主導臨床試験の促進、3)分子マーカー、基礎データの蓄積、4)生体試料収集と症例登録、5)陽子線療法へ対応です。一番の特色は、岡山大学病院だけのメラノーマセンターではなく、メラノーマ診療に取り組んでいる岡山医療センタ-や津山中央病院が関連施設として加わっている点です。
本センターは、メラノーマ診療の関係診療科の横断的連携に加えて、患者さんからいただいた貴重な生体試料を最大限活かして、そこから得られるデータを臨床にフィードバックし、新たな治療に結びつける目的があります。がん登録が法制化される中で、国際的に通用する正確なメラノーマ症例のデータ管理をする拠点としての役割も担っています。
メラノーマ患者さんに対し、最新かつ最適な治療を行うとともに、メラノーマという稀少な疾患を通じて、教育・研究の向上及び地域医療の充実と発展に貢献していきます。今後はこのホームページを通じて最新情報や活動状況を発信していく予定です。なにとぞ、ご活用いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。