BRAF遺伝子V600E点変異型悪性黒色腫におけるBRAF遺伝子変異の均一性の検討」へご協力のお願い
当科においてBRAF遺伝子V600E点変異型悪性黒色腫の治療を受けられた方およびそのご家族の方へ
―「BRAF遺伝子V600E点変異型悪性黒色腫におけるBRAF遺伝子変異の均一性の検討」へご協力のお願い―
研究機関名 岡山大学病院
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
研究機関長 金澤 右
大塚 愛二
研究責任者 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 皮膚科 准教授 山﨑 修
研究分担者 岡山大学病院 皮膚科 助教 杉原 悟
岡山大学病院 病理診断科 助教 谷口恒平
1.研究の概要
1) 研究の背景および目的
BRAF遺伝子V600E点変異型悪性黒色腫は、体幹および四肢 (手足を除く) の皮膚に発生する悪性黒色腫としては最も多いですが、BRAF阻害剤という治療的選択肢もあるため、悪性黒色腫においてこの遺伝子変異を検出することには大きな意義があります。このBRAF遺伝子V600E点変異は腫瘍発生において根幹的な極めて重要な遺伝子異常のため、同一病巣内の腫瘍細胞には一様にこの遺伝子変異があると考えられますが、最近、この遺伝子異常が同一病巣内および原発巣転移巣間で不均一に確認されると報告されてきています。この遺伝子変異が腫瘍内で均一に観察されるのか、あるいは、不均一に局在しているのかは、治療反応性の観点からも極めて重要な意味を有するため、この点を確認することを目的とする研究を計画しました。
2) 予想される医学上の貢献及び研究の意義
この研究により、BRAF遺伝子V600E点変異型悪性黒色腫において、BRAF遺伝子V600E点変異を有する腫瘍細胞以外にその遺伝子変異を有さない腫瘍細胞も混在するのかしないのかが明らかとなります。これによってBRAF遺伝子V600E点変異型悪性黒色腫に対するBRAF阻害剤の治療抵抗性の機序などが明らかになることが期待されます。
2.研究の方法
1) 研究対象者
2006年1月1日から2020年12月31日の間に岡山大学病院でBRAF遺伝子V600E点変異型悪性黒色腫の腫瘍切除術を受けられた方38人を研究対象とします。また,2017年1月1日から2020年11月30日の間に大阪国際がんセンターでBRAF遺伝子V600E点変異型悪性黒色腫の腫瘍切除術を受けられた方24人も同研究の対象となります。研究全体で62人の方を対象としています。
2) 研究期間
倫理委員会承認後~2021年8月31日
3) 研究方法
2006年1月1日~2020年12月31日の間に当院においてBRAF遺伝子V600E点変異型悪性黒色腫の腫瘍切除の治療を受けられた方で、研究者が診療情報とともに病理所見に関する分析を行い、この腫瘍においてBRAF遺伝子変異が一様に観察されるか否かについて調べます。
4) 使用する試料
この研究に使用する試料として、すでに保存されている病理組織検体を使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報が漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
5) 使用する情報
この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
① 患者基本情報:性別,診断時年齢
② 治療前情報:発症年月日,初診年月日,診断確定日,原発部位,原発巣サイズ,臨床所見,画像所見(CT, PET-CT, MRI, USなど:撮影年月日を含め),臨床的および画像的リンパ節転移・遠隔転移の有無
③ 病期分類:TNM分類
④ 初期治療および検査:外科的手術 [施行の有無,施術した日時,内容(原発巣切除、リンパ節廓清,選択的リンパ節切除,センチネルリンパ節生検など),切除マージン,切除断端評価,リンパ節廓清やリンパ節生検を施行していれば摘出リンパ節と腫瘍細胞陽性リンパ節の数],放射線療法 [施行の有無,施行した期間,照射量,その治療効果] ,薬物療法 [施行の有無,施行した期間,レジメン,その治療効果]
⑤ 生検標本・切除標本の病理組織学的所見
腫瘍亜型、腫瘍径、断端評価、既存の母斑成分の有無
⑥ 生検標本・切除標本の免疫組織化学的所見 (*:必要に応じて)
BRAF (VE1)、p16*、PRAME*、5HMC*、HMB45*
⑦ 初期治療後の再発および転移性病変の有無
1.局所再発:病変の有無、診断確定日
2.所属リンパ節転移:病変の有無、診断確定日
3.遠隔転移:病変の有無、診断確定日、その部位
4.局所再発、所属リンパ節節転移、遠隔転移に対する治療:治療の内容およびその効果
⑧ 転帰
転帰状況:生存、死亡(死因)、追跡不能(理由)、確認日
6) 外部への試料・情報の提供
この研究に使用する試料・情報は、以下の共同(主管)研究機関に提供させていただきます。提供の際、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し、提供させていただきます。
大阪国際がんセンター 病理・細胞診断科 病院特別研究員 後藤啓介
7) 試料・情報の保存、二次利用
この研究に使用した試料・情報は、研究の中止または研究終了後5年間、岡山大学医学部皮膚科医局内で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の試料・情報は施錠可能な保管庫に保存します。なお、保存した試料・情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。
8) 研究計画書および個人情報の開示
あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。
この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。また、あなたの試料・情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方(ご家族の方等も拒否を申し出ることが出来る場合があります。詳細については下記の連絡先にお問い合わせください。)にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申し出ください。ただし、すでにデータが解析され、個人を特定できない場合は情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。
<問い合わせ・連絡先>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 皮膚科学分野
氏名:山﨑修
電話:086-235-7282(平日:9時00分~17時00分)
ファックス:086-235-7283
<共同研究機関>
研究代表機関名 大阪国際がんセンター
研究代表責任者 大阪国際がんセンター 病理・細胞診断科 病院特別研究員 後藤啓介