メラノーマについて

 メラノーマ(悪性黒色腫)は皮膚がんの一種で、皮膚のメラニンという色素を作る色素細胞(メラノサイト)や、ほくろの細胞(母斑細胞)ががん化してできます。黒色に見えることが多いため、黒色腫と呼ばれますが、まれに茶褐色調、赤色調を呈することもあります。60歳~70歳代で最も多く発症しますが、30~50歳代で発症することも少なくありません。

 メラノーマが発生する原因については、まだよくわかっていませんが、白色人種に多く発症することから、紫外線に関係しているといわれています。日本人では足の裏や爪など、いつも刺激を受けている場所にできやすいことから、外的な刺激も関係していると考えられています。

 メラノーマは、皮膚科専門医による臨床症状の総合的な診断が必要です。視診とダーモスコピーという拡大鏡が診断に役立ちますが、見ただけでは診断が難しい場合には、腫瘍全体を切除して組織を確認して診断します。その他にもリンパ節や内臓などへの転移を調べるために超音波、CT、MRI、PET/CTなどの画像診断を行うこともあります。
 
 メラノーマは、病期の進行度に応じてⅠ期、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳ期に分類されます(図)。診断された病期によって治療方法が決まります。病初期のほうが手術治療のあとの再発率が低くなるので、早期発見・早期治療が重要です。

 

  がんの厚さ 潰瘍なし 潰瘍あり
がんは原発巣のみ 1mm以下 IA IB
1mmを超え2mm以下 IB IIA
2mmを超え4mm以下 IIA IIB
4mmを超える IIB IIC
1個のリンパ節転移がある III
2~3個のリンパ節転移、またはリンパ節転移を伴わない皮膚や皮下転移がある
4個以上のリンパ節転移、またはリンパ節転移を伴う皮膚や皮下転移がある
他の臓器へ転移している IV